アラフィフ女性にとって、マッチングアプリでの出会いは未知の世界です。特に年下男性との出会いとなると、「遊びなのか本気なのか」という疑問が頭をよぎるのは当然のことでしょう。
私自身、47歳でマッチングアプリを始めた時は、まさかこんな体験をするとは思いもしませんでした。12歳年下の男性との出会いを通して感じた、リアルな心境の変化をお伝えします。
結論から言うと、大切なのは相手の気持ちを推測することではなく、自分の心がどう動いたかということでした。年齢を重ねた女性だからこそ感じられる、新しい発見があったのです。
アラフィフ女性がマッチングアプリを始めた理由――「ただ誰かと話したかった」から
47歳の私がマッチングアプリに登録したのは、決して恋愛を求めていたわけではありませんでした。子供たちは独立し、夫との会話は減り、毎日が同じことの繰り返し。そんな倦怠感に襲われていたある日、私はマッチングアプリに登録しました。
きっかけは、ただ誰かと話したかったからです。友達とのランチや買い物だけでは満たされない、心の空虚感がありました。SNSで友達と繋がっているのに、心は繋がっている気がしない。そんな虚しさを感じていました。
アラフィフ女性の多くが感じる、この「見えない孤独感」。家族はいるけれど、自分自身の気持ちを理解してくれる人がいない。そんな思いを抱えている方は、実は多いのではないでしょうか。
マッチングアプリという選択肢は、最初は抵抗がありました。「私の年齢で大丈夫だろうか」「既婚者が使っても良いのだろうか」そんな不安を抱えながらも、現状を変えたい気持ちが勝りました。
プロフィール作成では、正直に年齢と状況を記載しました。嘘をついても意味がないし、理解してくれる人との出会いを求めていたからです。写真は自然な笑顔を心がけ、自己紹介文には「友人として話せる方を探している」と書きました。
年下男性から届いた「いいね」が、心をざわつかせた
マッチングアプリに登録してから間もなく、思いがけない“いいね”が届きました。送り主は、年下の男性。プロフィールを見るだけで「私とは違う世界の人」と感じるような相手に、心がざわついたのです。「まさか自分が…」という戸惑いと、「でも、少し気になる」という期待。その微妙な揺れが、アラフィフ女性の中にある“もう一度誰かと向き合いたい気持ち”を静かに刺激し始めました。
年下男性からの“いいね”が届いた日――アラフィフ女性の戸惑いと期待
登録から数日後、思いもよらぬことが起こりました。35歳の男性から「いいね」が届いたのです。プロフィール写真も、自己紹介文も、私とはまるで違う世界の人に見えました。
最初は戸惑いました。「私なんかが…」と、すぐに「いいね」を返そうか迷いました。でも、彼のプロフィールには、誠実さを感じさせる言葉が綴られていました。
「人生経験豊富な方とお話しできれば」「年齢よりも人柄を重視します」そんな言葉に、少し勇気を振り絞って、「いいね」を返してみました。
年下男性からのアプローチに対するアラフィフ女性の複雑な心境は、おそらく多くの方が共感できるものでしょう。嬉しい反面、「なぜ私を？」という疑問も湧いてきます。でも、その疑問こそが、新しい出会いの始まりだったのかもしれません。
マッチングアプリで“女性として扱われる”ことの意味を思い出した瞬間
メッセージのやり取りが始まると、彼の丁寧さに驚きました。言葉遣いはもちろん、私の話にも真剣に耳を傾けてくれます。年齢のことは一切触れず、私の趣味や仕事、好きなことについて、優しく質問してくれました。
「今日はお疲れ様でした。どんな一日でしたか？」 「そのお花の写真、とても綺麗ですね。お庭で育てていらっしゃるんですか？」
こんな何気ないメッセージが、私の心を温かくしてくれました。久しぶりに、自分の日常に関心を持ってくれる人がいることが嬉しかったのです。
正直、最初は軽い気持ちでアプリを始めた私でしたが、彼の誠実さに、だんだん心が惹かれていきました。メッセージを読むのが楽しみになり、返信を考える時間も愛おしく感じるようになりました。
年下男性と一度だけ会った夜――アラフィフ女性の心に起きた変化
やりとりを続けていた年下男性から届いた「お会いしませんか？」のひと言。戸惑いながらも応じたその出会いは、たった一度の短い時間でしたが、アラフィフ女性の心に確かな変化をもたらしました。画面越しでは感じなかった“人としての温かさ”や“女性として見られる喜び”が、日常の中に新たな感情を灯していったのです。
初めてマッチングした年下男性に会った夜、彼の“本気”が伝わった瞬間
数週間のメッセージのやり取りの後、彼から「もしよろしければ、お食事でもいかがですか？」と提案されました。この瞬間、私の心は大きく揺れました。
画面越しでの会話と、実際に会うことは全く違います。メッセージでは年齢差を感じにくくても、実際に会えば現実を突きつけられるかもしれません。「やっぱり断った方が良いかな」という気持ちと、「せっかくの機会だから」という気持ちが葛藤していました。
でも、彼との会話が日常の中で大切な時間になっていたことも事実でした。「一度だけなら」という気持ちで、その誘いを受けることにしました。
場所は、落ち着いた雰囲気のレストラン。当日は、緊張で何度もトイレに駆け込みました。何十年ぶりだろう？こんなにドキドキした日は。
普段着慣れたジーンズではなく、久しぶりにワンピースを着て、少しだけおしゃれをして行きました。鏡を見ながら「これで大丈夫かな」と何度も確認している自分が、なんだか可愛く思えました。
待ち合わせの時間、彼は先に到着していて、私の姿を見つけるとすぐに立ち上がって笑顔で迎えてくれました。
〇〇さん、こんばんは。お会いできてうれしいです。
こちらこそ、お待たせしてすいません。
ぎこちないながらも、会話は自然と始まりました。席に着くと、彼はメニューを見ながらふと私の方を見て言いました。
写真よりずっと柔らかい雰囲気ですね。すごく素敵です。
え…ありがとうございます。なんだか、照れますね。
そのワンピース、とてもお似合いですね。
そんなやり取りを交わしながら、少しずつ緊張が解けていきました。
恋かどうかより、“自分を女性として扱われた”ことが嬉しかった
実際に会ってみると、彼はメッセージで感じていた以上に優しくて、気遣いのある人でした。年齢差を感じさせない、自然な会話が弾みました。
最初の緊張をほぐしてくれるような、優しい言葉をかけてくれました。彼は私の話を丁寧に聞いてくれ、共感してくれたり、時にはユーモラスな返事で笑わせてくれたりしました。
何よりも、私を「女性」として見てくれているのが、ひしひしと感じられました。家族からは「お母さん」として、職場では「○○さん」として見られることが多い日常で、一人の女性として接してもらえることの喜びを実感しました。
食事の間、私たちは様々な話題で盛り上がりました。仕事の話、趣味の話、人生観についても深く語り合いました。年の差を感じさせない、対等な関係でいられることが嬉しかったです。
「本気か遊びか」より大切だった、自分の気持ち
それから私たちは何度か会い、食事をしたり、映画を見たり、一緒に時間を過ごしました。最初は「遊びじゃないの？」という不安がありましたが、彼の誠実な態度や、私への優しさに触れるうちに、その不安は薄れていきました。
そして気づきました。「本気か遊びか」という問いよりも、自分の心がどう動いているのかが、もっと大切なのだと。
彼との関係が恋愛に発展するかどうかは分かりません。でも、この出会いを通して、私は多くのことを学びました。年齢を重ねても、心は変わらず動き続けるということ。新しい出会いが、自分自身を見つめ直すきっかけになるということ。
まとめ｜マッチングアプリで年下男性と出会ったアラフィフ女性の気づき
マッチングアプリで出会った年下男性との関係は、恋愛に発展したわけではありませんでした。それでも私は、自分の中にある“女性としての感情”が、確かに動いたことを実感しました。
「もう恋なんてしない」と思い込んでいた私が、誰かに“いいね”をもらい、ドキドキして、やりとりを重ね、実際に会って… そんな時間の一つひとつが、心の奥で眠っていた自分自身を揺り起こしてくれたように思います。
本気か遊びか。それを見極めようとする気持ちは確かにありました。でも今振り返ると、それ以上に「自分の心がどう感じていたか」の方がずっと大切だったと感じています。
アラフィフという年齢でも、新しい感情に出会えること。誰かにときめいて、自分を少し好きになれるような経験ができること。それ自体が、人生にとっての大きなギフトでした。
この体験が、同じような思いを抱えているアラフィフ女性の方々にとって、少しでも勇気や希望になれば嬉しいです。
