気温の急上昇と湿度の高さにぐったりする夏。特に40代になると、体力の回復が追いつかず、なんとなく「だるい」「やる気が出ない」と感じることが増えていませんか?
もしかするとそれは、夏バテのサインかもしれません。
仕事や家事を毎日頑張るアラフォー世代にとって、夏の体調管理はセルフケアの要です。質の高い睡眠と自律神経のバランスを保つことが、夏の疲れを乗り切る鍵になります。
本記事では、40代女性がこの夏を健やかに過ごすために知っておきたい「夏バテの原因」と「自律神経と睡眠の整え方」を解説します。無理なくできるセルフケア習慣で、心と体をリセットしませんか?
夏バテの本当の原因は「自律神経の乱れ」かも?

夏バテの原因は、実は自律神経の乱れにありました。夏の暑さで自律神経が乱れる原因と、自律神経そのものについて解説します。
そもそも「自律神経」とは?
自律神経とは、私たちの体温・呼吸・消化・血流などを自動で調整してくれる神経のことです。私たちの意思とは関係なく、体の機能を24時間コントロールしてくれています。
活動時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」がバランスよく切り替わることで、健康が保たれています。生きるために大切な神経ということです。
ところが夏になると、このバランスが崩れやすくなります。特にアラフォー世代は、年齢による回復力の低下も影響して、不調を感じやすくなるでしょう。
夏に自律神経が乱れやすくなる原因
夏は気温差や暑さが原因で体が休めない状態が続き、自律神経が乱れてしまうのです。夏に自律神経が乱れやすくなる原因は6つあります。
脱水
汗をかくことで体内の水分・ミネラルが不足し、自律神経の働きにブレーキがかかります。
室内外の気温差
冷房の効いた室内と、炎天下の屋外というように、気温差が大きいと体がうまく対応できません。
自律神経は体温を一定に保とうと働きますが、何度も急な切り替えを強いられると疲れてしまい、乱れやすくなるのです。
睡眠不足
高温多湿の夜は、眠りが浅くなりやすく副交感神経がしっかり働かず、日中に疲れを引きずる原因に。 寝苦しさや夜中の目覚めが続くこともあり、体を休められずに回復機能が落ちていきます。
冷たいもののとりすぎ
アイスや冷たい飲み物をとりすぎると、胃腸が冷えて消化不良を起こすでしょう。内臓は副交感神経と関係が深く、冷えることで休息モードへの切り替えがうまくできなくなります。
シャワーで済ませてしまう
シャワーで済ませてしまうと、体温がうまく調整されず、体に熱がこもりやすくなります。汗をかいても涼しくならないと、自律神経が休めない状態に。
紫外線の刺激
強い日差しは、目や肌だけでなく神経系にもストレスを与え、自律神経に負担をかけます。
夏バテと睡眠の関係|寝つきの悪さ・浅い眠りの原因に

実は、夏バテと睡眠には密接な関係があります。寝苦しくて何度も目が覚めてしまう夜や、なかなか寝付けない夜が続いていると、夏バテを引き起こす原因になるかもしれません。
寝苦しさが自律神経に悪影響を与える
通常、眠るときには「副交感神経」が優位になり、心身はリラックスモードに切り替わります。しかし、エアコンをつけていても、湿度や体温調整がうまくいかない寝苦しい夜では、「交感神経」が優位になり、眠る準備が整いません。
自律神経が体温調節にフル稼働してしまうため、疲労・イライラ・不安感などのストレス反応が現れやすくなります。
その結果、「なんとなく寝つけない」「夜中に目が覚める」といった状態が続いてしまいます。朝まで眠っていても、脳や体が十分に休まらず、疲れが残り、だるさが続くようになるでしょう。
睡眠の質が低下すると回復力もダウン
睡眠の質が低いと、身体の修復をする成長ホルモンの分泌が減ります。成長ホルモンと聞くと、子どもだけに必要なものに感じられますが、実は大人にとっても大切な働きがあります。
- 筋肉や内臓、皮膚などの細胞の修復
- 疲労した体の回復
- 免疫力のサポート
成長ホルモンは、身体の疲れをとるための大切な役割を担っています。睡眠の質を上げることで、身体の回復力を高められるでしょう。

寝ても疲れがとれなかったのは、睡眠の質が悪かったんですね。
他にも、睡眠には脳の情報を整理し、感情のバランスを整える働きがあります。脳内の老廃物を除去することで、ストレスや不安を解消してくれるでしょう。
眠りが浅いと、心身の回復がうまくいかず、朝から疲労感や頭の重さを感じるようになります。自律神経を整えるための時間も確保できず、疲労が蓄積し、朝起きてもスッキリしない状態が続いてしまいます。
疲れが取れないまま日中を過ごすと、自律神経のバランスもどんどん悪化し、悪循環に…。
自律神経を整える!アラフォー女性におすすめの夏バテ対策

ここからは、夏の暑さに負けないために、自律神経を整える夏バテ対策を紹介します。まずは1つ、取り組みやすいものから試してみてください。
① エアコンの温度を快適に保つ
エアコンの設定温度は、26〜28℃前後が理想的です。設定温度が低すぎると、外に出た時の温度差が激しくなり自律神経が乱れてしまいます。
また、身体を冷やしすぎると、血行不良により肩こりや頭痛、倦怠感が起こります。扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させましょう。
② 暑くても軽く体を動かす
暑くて体がだるい時ほど、軽いストレッチや散歩をして体を動かしましょう。
暑さでダラダラ過ごしてしまうと、血流が滞りがちになり、乳酸や老廃物が体にたまりやすくなります。軽い運動で筋肉を動かすことで、血流が良くなり、疲労回復が早まります。

室内で気軽にできる動きから始めるのがおすすめです!
自律神経のリズムも整い、だるさ・不眠・食欲不振といった夏バテ症状の緩和にもつながります。
運動によって脳内の「セロトニン」や「エンドルフィン」といった幸福ホルモンが分泌されるので、夏特有のイライラや気分の落ち込みも運動によってリセットされやすくなるでしょう。
③ 睡眠環境を整える
寝具は吸湿・通気性のいいものを選びましょう。汗をしっかり吸ってくれる素材を選ぶことで、夜中に蒸れて目覚めるのを防ぎ、深い睡眠へと導きます。
寝室の室温は26〜28℃、湿度は50〜60%程度が理想的です。38〜40℃のお風呂に入って体温を上げておくと、体温が下がるタイミングで眠気がやってきます。

湯船にゆったり浸かると、体がリラックスモードになりますよ!
寝室の香りには、ラベンダーやベルガモットなどを取り入れると、自律神経の緊張を和らげ、深い眠りへと導いてくれます。身体が自然に休まる環境を整えることが、夏バテ防止や自律神経を整えることにつながります。
④ 生活リズムを整える「早寝早起き習慣」
毎日決まった時間に寝て起きることで、体内時計が整い自律神経の切り替えもうまくいきます。人には体内時計が備わっており、朝~昼に交感神経が優位になり、夜には副交感神経が優位になりリラックスモードになるようにできています。

ついつい、スマホを触って夜更かししてしまいます。
不規則な生活を過ごしていると、自律神経のバランスが崩れてしまうでしょう。夜はスマホを控えて、読書やカフェインレスのお茶を飲むなどして、リラックス時間を意識してください。
朝は早起きして朝日を浴びると、自然と交感神経が働き始め、体が目覚めます。生活リズムを整えて、自律神経のスイッチをスムーズに切り替えられるようにしましょう。
⑤ 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
常温の水を飲むと、交感神経がやわらかく刺激され、頭も体も目覚めやすくなります。朝はコーヒーを飲む習慣がある人も、まずは水を飲むようにしてください。急激に刺激するカフェインよりも、自然な覚醒に役立ちます。
また、寝ている間には、コップ1杯分(約200〜300ml)の汗をかくと言われています。朝起きてすぐに水を飲むことで、体内の水分バランスをリセットし、血流がスムーズになるでしょう。
胃腸も刺激されるため、朝の排便がスムーズになります。これにより体内リズムが整い、自律神経も安定しやすくなります。
もし夏バテになってしまったら?

もしも夏バテになってしまったら、すぐに対処する必要があります。頭がぼんやりしたり、強い倦怠感を感じたりした時は、夏バテの可能性があります。
無理せず体を休める
夏バテは、暑さによる体力の消耗や自律神経の乱れ、睡眠不足、栄養不足などが複合的に重なって起こります。無理に動くと、体は“がんばること”にエネルギーを使ってしまい、本来必要な“回復”が後回しになってしまいます。
気合いで動くと悪化してしまうのが夏バテです。症状が悪化してしまう前に、思い切って休息を優先しましょう。
短時間でも昼寝をすると効果的です。涼しい部屋で目を閉じて横になるだけでも休められます。
栄養補給を意識する
夏は食欲が落ちやすく、アイスやそうめんなどの冷たいものに偏りがちです。たんぱく質・ビタミンB群・鉄・マグネシウムなどを意識的に取り入れることで、回復力がアップします。
- 野菜スープ
- おかゆ
- 温豆腐
- 酢の物
- 豚しゃぶ
- 冷やし梅茶漬け
胃腸が弱っている時は、温かくて消化のいいものがおすすめです。冷たいものばかりだと、胃腸を冷やしてしまいます。ただし、温かいものが食べづらい時は、冷やし茶漬けや冷しゃふなど、食べやすいものを取り入れましょう。
症状が長引く場合は医師に相談を
1週間以上だるさやめまいが続く場合は、熱中症や他の疾患の可能性もあります。無理せず専門家の診察を受けましょう。
- 食欲不振や体重減少が2週間以上続く
- 強い倦怠感やめまい、頭痛が続く
- 熱が下がらない、または微熱が続く
- 胃腸の不調(下痢・吐き気)が続く
- 寝ても疲れが取れない
上記のような症状が見られる場合は、我慢せずに医師に相談してください。
まとめ|アラフォー女性は自律神経ケアがカギ!夏を健やかに乗り切ろう

夏の不調は、「歳のせい」ではありません。自律神経のバランスの乱れが、不調を起こしている可能性があります。今回紹介したように、生活習慣を見直すことで、夏バテ対策ができます。
- 睡眠の質を上げる
- 冷え・脱水に注意する
- 日中は軽く体を動かす
この3つを意識するだけでも、心と体は確実に変わっていきます。忙しいアラフォー女性こそ、自分をケアする時間を大切にしてくださいね。