「もう終わりにしなきゃ…」そう思っているのに、どうしても別れられない。「お互いに家庭があるのに、関係を断ち切れない 」そんな“既婚者同士の恋愛”に悩む女性は少なくありません。
この記事では、「別れられない」心理の裏に隠された本音を紐解きます。自分の気持ちを整理し、前に進むためのヒントになれば幸いです。
既婚者同士が別れられないのはなぜ?|深層心理にある3つの理由

いつまでも続けるのはダメだとわかっているのに、既婚者同士が別れられないのはなぜなのでしょうか?ここでは、深層心理に隠された3つの理由を紹介します。
1.「理解される心地よさ」への依存
家庭では得られない共感や安心感が、強い絆に感じられることがあります。
- 自分の気持ちや悩みを理解してくれる相手がいる安心感
- 家庭では言えない本音を聞いてもらえる満足感
- 否定されず、共感してもらえる承認欲求の充足
このような感覚は「ただ話を聞いてもらう」以上の心地よさがあり、人は無意識にその快感を求めるようになります。
既婚者の場合、家庭の制約や社会的な責任があるため、外で心を開ける相手が限られます。そのため、理解されることへの心地よさが強くなり、離れられなくなってしまうのです。
2.「罪悪感」と「愛情」の間で揺れる心
「罪悪感」と「愛情」は同時に存在し、相反する力で心を引っ張ります。「別れたいのに、相手を傷つけたくない」「不倫はいけないこととわかっているのに、相手に惹かれてしまう」この相反する気持ちが、関係を長引かせる要因になります。

どうして、罪悪感と愛情のどちらも感じてしまうの?
人は自分の行動(関係を続ける)と価値観(倫理的に正しいこと)に矛盾が生じると、心の中で不快感が生まれます。しかし、愛情による心理的報酬(安心感・共感)へのメリットが大きいため、自然と強く引き寄せられてしまうのです。
「感情は惹かれるけれど、頭ではやめるべき」と理性が働くため、罪悪感を抱きながらも強い愛情を感じることになってしまうのです。
関連記事:夫以外に好きな人がいる…それって間違い?気持ちの正体と対処法
3.「現実逃避」としての恋
日常のストレスや満たされない思いから逃げるための“心の避難所”として、関係を続けてしまうケースもあります。これは、恋愛そのものが目的ではなく、現実の問題やストレスから逃れる手段として機能している状態を指します。
- 家庭や職場での悩み・孤独・不満から目をそらすため
- 日常生活での自己価値感の低下を補うため
- 感情の充足感や非日常の刺激を得るため
恋愛関係そのものが「安心・快感の装置」になっているイメージです。家庭への不満や孤独が大きい人ほど、現実逃避の恋に逃げやすい傾向があります。
別れられない関係がもたらす心の負担

別れられない関係を続けていると、心に大きな負担となります。具体的にどのような負担を感じやすいのか、見ていきましょう。
心のエネルギーが奪われていく
常に隠さなければならない関係は、想像以上に心を消耗させます。「幸せなはずの時間なのに、苦しい」――そんな矛盾に疲れてしまう人も多いでしょう。
実際、別れられない関係を続けているとどのような点で心のエネルギーが奪われてしまうのでしょうか?
- 秘密を維持するストレス
- 罪悪感の継続
- 振り回される感情
- 決断力の消耗
別れられない関係を続けると、常に「別れた方がいい、でも別れられない」とぐるぐると頭を悩ませるものです。実は、それ自体が心のエネルギーを大きく奪っているのです。
心のエネルギーが奪われてしまうと、日常的に疲れやすくなり、何もやる気が起きない状態になります。小さなことでもイライラしやすく、不安も大きくなるでしょう。
「家族にも自分にも嘘をつく」ストレス
家族への罪悪感を抱えながら日常を送ることは、自己否定にも繋がります。「自分は家族を裏切り続けている」「道徳的に許されないことをしている」という気持ちが常に心の中にあると、自分を責め続けることになります。
また、自分の心にも嘘をつき続けることになるため、心理的負担が大きくなるでしょう。心が不安定になると、浮気相手に対する依存も強くなりやすいため、悪循環になります。
既婚者同士で別れられない時に見つめたい「本当の気持ち」
既婚者同士で別れられない理由は、深層心理に隠されていることがわかりました。別れられない関係を続けている今、あなたの心はあなたが思っている以上に疲弊しています。
だからこそ、別れられずに悩んでいる時は、自分の本当の気持ちを見つめることが大切です。
「相手」ではなく「自分の欠け」を見つめる
別れられない本当の理由は、相手ではなく“自分の心の空白”にあるかもしれません。心の中にある満たされない部分・見ないようにしている感情・未解決の欲求を満たしたくて、相手に依存してしまっている可能性があります。
- 「誰かに大切にされたい」
- 「理解されたい」
- 「異性として見られたい」
- 「努力しても報われない」
- 「自分の存在が軽く扱われている気がする」
寂しさ、承認欲求、居場所のなさ――何を満たそうとしていたのかを考えることが、心の整理につながります。自分の心の欠けを見つけるためには、家庭や日常の中で得られなかった感情・相手に癒やされた言葉や態度を振り返ってみましょう。

自分が何に傷つき、何を求めていたのかがわかります。
心の欠けた部分に気づくことで、相手に求めなくても、自分で自分の心を癒せるようになりますよ。
感情を否定せず、受け入れる
感情を無理に抑えると、心の奥で逆に膨らんでしまいます。「いけない恋をした」と自分を責める前に、“それほど誰かを求めた自分”を受け入れてあげましょう。
感情を受け入れるのは、「その感情が正しいと認めること」ではありません。自分の中にある感情の存在を認めてあげることです。
- 「確かにあの人に惹かれている」
- 「会えないと寂しい」
- 「罪悪感もあるけど、それでも好きな気持ちは本物」
上記のように、自分の心の中にある感情を否定せず、そのまま感じてあげましょう。ありのままに感じることが、受け入れることに繋がります。具体的なステップは以下の通りです。
- 悲しい・寂しいなど自分の感情を言葉にする
- 良い感情・悪い感情と決めずにただ観察する
- 「なぜそう感じるのか?」を探る
- そのように感じた自分に優しく声をかけてあげる
感情を受け入れることで、少しずつ心が静まり、冷静さを取り戻せるようになります。
関連記事:もう会わないと決めたのに辛い…不倫相手を忘れる方法と気持ちの整理術
既婚者同士の関係を終わらせるための3つのステップ

自分の気持ちが見えてきたら、実際に相手との関係を終わらせるためのステップを踏んでいきましょう。すぐに実行するのが難しい人も、まずはできることから一つずつ試してみてください。
1.物理的な距離を取る
既婚者同士の関係を終わらせたいと思っても、心が揺れたり情が残ったりして、気持ちだけではなかなか断ち切れないのが現実です。そのため、物理的な距離を取るのが効果的です。
- 連絡を減らす
- 会う環境を断つ
- SNS・共通のつながりを整理する
- 自分の時間を取り戻す
突然連絡を断つのは難しいもの。だからこそ、少しずつ頻度を減らし、相手との時間を減らすようにしましょう。会ってしまうと気持ちが抑えられなくなる人は、環境そのものを変えるのが有効的です。
住む場所を変えたり、職場関係なら部署異動や転職を視野に入れるのも一つです。相手のことを感じられないようにすると、自然と心を離せるでしょう。
2.「別れたい理由」を自分の言葉で書き出す
頭の中で考えるよりも、紙に書くことで気持ちが整理されます。「なぜ相手との関係を終わらせたいのか?」自分の気持ちを見える化することが大切です。
- 自分が感じている気持ちをそのまま書き出す
- なぜそう感じるのか、紙の上で問いかける
- 最後に、自分の言葉で「別れたい理由」を一文で書く
- 書いた言葉を何度も読み返す
「なぜ?」と問いかける時は、一つの気持ちに対して三回問いかけると自分の本音が見えてきます。ただし、気持ちが絡まっている人ほど、自分の気持ちと向き合うのは難しいものです。
まずは、自分が感じている気持ちを書き出すだけでも、「別れたい理由」を見つける手助けになります。
3.信頼できる第三者に話す
自分の中で気持ちの整理がつかない時は、信頼できる第三者に話してみましょう。友人やカウンセラーなど、感情を受け止めてくれる人に話すことで、心の整理が進みます。

自分では考えつかない新しい視点が得られます!
別れるかどうかで悩んでいる時は、どうしても「別れるか・続けるか」だけで物事を考えてしまいがちです。しかし、第三者は「あなたが安心して笑える日常って、どんな状態?」というように、もっと広い視点であなたの幸せを見てくれます。
プロのカウンセラーは、感情の整理や自己理解をサポートしてくれる専門家です。「どう感じてもいい」という前提で受け止めてくれるため、話すだけでも罪悪感が和らぎます。
まとめ|「別れられない」のは弱さではなく、心が求めているサイン

既婚者同士の関係に悩むことは、誰にでも起こりうる心の揺れです。大切なのは、「なぜ別れられないのか」自分の気持ちを正直に見つめ、自分を癒すことです。
その先に、もう一度自分らしく生きる道が見えてきます。まずは自分の本当の気持ちを見つけ、自分の感情を受け入れることから始めてください。自分が自分を認めてあげられるようになれば、自然と相手との距離を見つめ直せるようになるでしょう。