
夫への愛情がなくなった

夫婦一緒にいるはずなのに、なんだか孤独を感じる
愛し合って一緒になった二人でも、子どもができたり仕事が忙しくなったり、ライフスタイルと共に関係性に変化を感じる人は少なくありません。
愛情が薄くなった状態で結婚生活を続けるのは苦しいもの。
夫婦間の悩みを抱えている人の中には、婚外恋愛・オープンマリッジで自由恋愛をしている人がいます。
今回の記事では、それぞれの言葉の意味と定義を元にリスクや始める前の心構えについて紹介します。実際に体験している人の例もご紹介するので、参考にしてください。
そもそも「婚外恋愛」「オープンマリッジ」とは?

テレビドラマやSNSなどで「婚外恋愛」「オープンマリッジ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。言葉を聞く機会が増えてきたものの、実際どのような状態を指すのか説明できる人は少ないでしょう。
ここではそれぞれの言葉の違いや、不倫との違いについて解説していきます。
婚外恋愛の定義と背景
「婚外恋愛」とは、既婚者が配偶者以外の既婚者と恋愛関係を築くことです。
つまり、既婚者同士の恋愛を指します。ただし、婚外恋愛で重視されるのは感情的なつながりです。
必ずしも肉体関係があるとは限らず、「誰かと心を通わせたい」という思いからお付き合いが始まるケースが多いです。
セカンドパートナーとも呼ばれ、お互いの家庭を壊さないことが前提条件としてあります。

婚外恋愛はテレビドラマがきっかけで広まった言葉です。
これまでは既婚者が異性と関係を持つことは浮気・不倫と呼ばれていました!
しかし、婚外恋愛と呼ばれるようになってからは配偶者以外との恋愛を楽しむ人が増えています。
婚外恋愛を求める人の背景には、夫婦間のコミュニケーション不足、孤独感、自己肯定感の低下など、さまざまな要因が存在します。
オープンマリッジとは?

「オープンマリッジ」は夫婦が合意のうえで、お互いに恋愛や性の関係を外に持つことを認め合う関係性のことです。
つまり、パートナー公認の恋人を作ることです。
パートナーに内緒で肉体関係を持つ不倫とも、癒やしを求めてパートナーを作る婚外恋愛とも異なります。
話し合いによってルールを決めて恋愛を楽しむ、海外では浸透している新しい夫婦のあり方です。自由に恋愛を楽しめるのが大きなメリットです。
アメリカの社会学者が提唱した結婚スタイルで、日本ではまだ浸透していませんが、海外では多くの夫婦が取り入れています。
婚外恋愛・オープンマリッジと「不倫」の違い
婚外恋愛・オープンマリッジは、不倫とは言われないのか気になるところでしょう。
それぞれの違いをまとめました。
分類 | 合意 | 肉体関係 | 隠し事 | 社会的印象 |
---|---|---|---|---|
婚外恋愛 | なし | あってもなくてもOK | 多い | 否定的な人もいる |
オープンマリッジ | あり | 場合による | なし | 少数派だが注目され始めている |
不倫 | なし | あり | 多い | 不誠実とされがち |
婚外恋愛はパートナーに隠れて始まるケースが多いものの、心のつながりを重視するため真剣交際を目的としています。プラトニックな関係を築いていれば、不貞行為とは認められません。
オープンマリッジはパートナーの合意を得ているため、話し合いのうえで決定していれば肉体関係を持つことを許されます。
社会的に認められる数は少ないですが、話し合いをしているためパートナーとの関係性は築きやすいです。
その点、不倫はパートナーに隠れて肉体関係から関係を進めるケースが多いです。遊びの関係も多く、社会的にも不誠実な人だと思われるでしょう。
婚外恋愛のきっかけ

婚外恋愛が注目され始めていますが、どのようなきっかけで始まることが多いのでしょうか?
婚外恋愛のきっかけとなる6つのケースを紹介します。
- 夫婦間の愛情や会話の不足
- 家庭内での役割に疲れた・評価されない
- 偶然の再会や新たな出会い
- 自分自身を取り戻したい気持ち
- 寂しさや孤独を誰かに埋めてほしい
- 自己肯定感の低下
それぞれのきっかけについて詳しく見ていきましょう。
夫婦間の愛情や会話の不足
婚外恋愛のきっかけの一つとして、夫婦間の愛情や会話不足が挙げられます。
年月の経過と共にライフスタイルが変化していく中で、スキンシップや「好き」という言葉がなくなり、家族としての関係性になる人もいるでしょう。
愛情が感じられなくなると性的な欲求も満たされなくなります。
日常的な会話もなくなり、ただ同じ空間にいるだけ。感情を共有できなくなると、心が満たされなくなり婚外恋愛を求める人が多いです。
家庭内での役割に疲れた・評価されない
家庭内での役割に疲れると、外に癒やしを求めるようになり婚外恋愛を始める人もいます。
男女別に家庭内での役割に疲れる理由をまとめました。
- 育児や家事を頑張っても、夫に理解されず評価もされない
- 夫が育児も家事も協力的ではない
- 同じような毎日の繰り返しに疲れる
- 一家の大黒場として必死に働いても感謝されず、文句を言われる
- 子ども中心となり、疎外感が感じられる
- 家庭を支えなければならないプレッシャーを感じる
妻・母として、夫・父としての役割を重く感じ始めると、逃げ出したい気持ちから婚外恋愛へと進むようになります。
偶然の再会や新たな出会い
婚外恋愛を行うつもりがなくても、偶然の出会いがきっかけとなることもあります。
- 昔の恋人との再会
- SNS・マッチングアプリ
- 職場の同僚や取引先
- 子どもつながりの出会い
- 昔からの友人・知人
- 趣味・習い事
上記のように、日常生活の中に出会いのきっかけはたくさんあります。
はじめから恋愛感情を抱いていなくても、自然な交流から恋愛感情が芽生える可能性は十分あります。
特に昔の恋人との再会や、昔からの友人との関係性は深まりやすいものです。
自分自身を取り戻したい気持ち

結婚して家族になると、独身時代のように自分自身を純粋に見てもらえる場面は少なくなります。特に子どもができると、親としての役割を担うようになり、自分自身は二の次になりがちです。
独身時代はおしゃれを楽しんでいた女性も、妻となり母となると自分にかける時間やお金がなくなり、自分を見失う人も多いでしょう。
年齢を重ねる中で、女性としての魅力を再確認したいという思いから婚外恋愛を始める人も多いです。
寂しさや孤独を誰かに埋めてほしい
人は寂しさを感じると、誰かに孤独感を埋めて欲しいものです。
- パートナーとの会話が減り、一緒の家で暮らしているのに寂しい
- すれ違いの生活が続いて、夫婦の時間がとれない
- パートナーが自分の話を聞いてくれない
- 単身赴任でパートナーと離れている
このような状況が続くと、結婚している意味を見つけられず、離婚の選択もできずにいると孤独を感じるようになるでしょう。
本来パートナーに埋めてもらえるはずの寂しさを埋められない悲しみから、婚外恋愛を求めるようになります。
自己肯定感の低下
家庭内で大切にされていない、自分を褒めてくれる人がいない状況が続くと、承認欲求が満たされずに自己肯定感が下がります。
- 何をしても報われず、自分には魅力がないと思い込む
- ただの家政婦のように感じられる
- 自分は必要ない存在だと感じる
- 自分を大切にしてくれる人はいないと感じる
このような日々が続くと、誰かに「大切にされたい」「必要とされたい」という気持ちが大きくなります。承認欲求を満たすために婚外恋愛を求める人は多いです。
婚外恋愛は肉体関係がなければ「浮気」にならない?

婚外恋愛は精神的なつながりを重視し、肉体関係を持たないことが多いです。しかし、肉体関係を持たなければ「浮気」「不倫」にならないのでしょうか?
どのような線引をすればよいのか、浮気になるケースとならないケースについて解説します。
プラトニックな関係の定義
プラトニックな関係とは、肉体関係を持たずに精神的な面で結ばれる関係性のことです。
キスやセックスなどの性的な接触はせず、あくまでも心のつながりを重視します。

性的接触がなければ、浮気にはならないの?

心のつながりだけでも浮気とみなされる場合があるよ!
配偶者よりも心の比重が大きくなっている場合は、浮気とみなされる可能性があります。
「手をつないだだけ」「毎晩LINEでやりとりしているだけ」
こうしたプラトニックな関係も、心の面で配偶者以外に強く依存している場合、「浮気」と見なされる可能性があります。
あくまでも婚外恋愛は、お互いの家庭を優先しながら楽しむものです。配偶者を一番に考えなければ、プラトニックな関係を築いていても浮気とみなされる場合が多いでしょう。
法的・社会的な線引き
法的・社会的な面では、肉体関係がなければ基本的には不貞行為とはみなされません。
明らかな不倫関係であっても、肉体関係を持った証拠を提示できなければ慰謝料請求が難しくなるように、「肉体関係」が大きな線引となります。
しかし、裁判で「精神的な不貞」として慰謝料請求が認められた例もあります。
- デートの頻度が高い
- 深夜に頻繁にやりとりをしている
- LINEで親密なやりとりをしている
- SNSに匂わせ投稿をしている
- キスをしている
上記の行為は、精神的な不貞行為とみなされる可能性があります。慰謝料請求に至らなくても、離婚調停では不利に働く可能性があります。
パートナーにバレた場合、離婚の選択肢を迫られる可能性が高いでしょう。
心の浮気の方が家族を傷つける
法的な面では、肉体関係があるかどうかで不貞行為かどうかが決まります。そのため、「肉体関係がなければ問題ない!」と考えている人は多いでしょう。
しかし、実際は心の浮気の方がパートナーを深く傷つけることもあります。
体だけならば一時の気の迷いや、遊びだったと考えられます。しかし、「心を預けていたのは、自分ではなかった」とわかれば裏切られたと感じる人は少なくありません。
心のつながりを重視するからこそ、婚外恋愛をする時はパートナーへの配慮が大切です。子どもがいるのであれば尚更、家族以外に心を通わせている姿がどのように映るのか考える必要はあるでしょう。
婚外恋愛・オープンマリッジに踏み出す前に考えること

婚外恋愛は、家族を傷つけるリスクがあることをお伝えしました。オープンマリッジはパートナーに同意を得る過程で、相手を傷つける可能性があります。
婚外恋愛・オープンマリッジに踏み出す時は、「本当に踏み出しても良いのか?」冷静に考えてから進むようにしましょう。
なぜ恋愛を外に求めたいのか?自分の感情と向き合う
「パートナー以外と恋がしたい!」と考えるようになったら、「なぜ他の人と恋愛がしたいのか?」自分の本音と向き合う時間を作りましょう。

ドキドキを味わいたい興味かもしれないわね

一時的なドキドキ感なら、一度冷静に考える時間が必要だね!

このままだと、辛くて自分がどうにかなりそう・・・

何が辛いのか考えてみよう!
今自分に足りないのはパートナーからの愛情なのか、それとも自由な時間なのか。
今自分が欲しいと感じているのは癒しなのか、それとも自分を肯定してくれる相手なのか。
自分が何を求めて、何に辛さや寂しさを感じているのか向き合う時間を作りましょう。
頭で考えても浮かばない、わからない時は紙に感情を書き出すのが効果的です。
夫婦関係の再構築は本当に無理か?
婚外恋愛を求める人の多くは、パートナーとの関係性の悪化が大きな要因となっています。
「夫にわかってもらえない」、「期待をしても辛いだけ」と、話し合いをしてもどうせ無理と感じていませんか?

夫婦関係の再構築ができないか考えてみよう!
- 夫婦関係を客観的に見つめ直す
- パートナーに対してどんな感情を抱いているのかを考える
- 相手に正直な気持ちを伝えてみる
- 新婚の時のような夫婦の時間を作ってみる
夫婦として過ごす時間が長くなると、いつの間にか家族としての意識が強くなりがちです。新婚時のラブラブな気持ちがなくなり、当たり前な存在となってしまいます。
新婚の時のような二人だけの時間を作ってみると、ドキドキした気持ちを思い出して夫婦関係が良好になるかもしれません。
また、一人で抱え込むことで怒りや寂しさが増大しているのであれば、相手に本音をぶつけることも大切です。
自分たちだけで解決するのが難しい場合は、カウンセリングなどの専門機関を利用するのもおすすめです。
相手(恋愛対象)との関係がもたらす影響
婚外恋愛・オープンマリッジに踏み出す前に、周りに与える影響を考えておきましょう。
- 配偶者
- 子ども
- 相手の配偶者
- 相手の子ども
- 友人、職場関係
上記のように、婚外恋愛を始めることで、多くの人に影響を及ぼします。
癒やしを求めたつもりが、大切なものを失ってしまった・・・とならないために、トラブルのリスクは想定しておきたいところです。
お互いの家庭を巻き込むことを忘れず、相手との関係を冷静に見極めるようにしましょう。
婚外恋愛を楽しむためのルール
婚外恋愛のリスクを抑えるためには、あらかじめルールを決めておきましょう。
- 境界線を明確に決める
- 割り切った関係であることを忘れない
- 相手の家庭を壊すようなことをしない
- 家庭の悪口を伝えすぎない
婚外恋愛はあくまでもお互いの家庭を優先したうえでの関係です。自分の家庭を一番に考え、相手の家庭も尊重することが大切です。
婚外恋愛は節度を守れば楽しめます。
婚外恋愛・オープンマリッジ経験者に聞いた本音

実際に婚外恋愛・オープンマリッジを経験した人の本音を聞いてみました。
ぜひ、参考にしてください。
婚外恋愛を経験した女性の実例
どのようなきっかけで関係が始まり、どのような結末を迎えたのか。婚外恋愛を経験した二人の女性の実例を紹介します。
実例①子育てに追われていた時、“女”を思い出させてくれた

専業主婦のAさんは結婚13年目で夫とはほぼ会話がなく、夜の関係もなくなっていました。日々の育児・家事に疲れ、自己肯定感も低下。
そんな時、学生時代の元カレとFacebookで再会し、やりとりが始まったと語ります。
元カレとは月に1回ほどランチに行くようになり、やがてホテルへ・・・。元カレから「女として魅力的」と言われ、自信が戻っていったそうです。
彼との関係は半年ほど続いたが、彼に本気になりそうで自分から関係を終了したそうです。「あの時間があったから、もう一度夫と向き合えた」と離しています。
実例②夫婦仲は悪くないが、心が動いた相手がいた
共働きで会社員のBさんは、二人暮らしで夫婦仲は円満。しかし、仕事関係のプロジェクトで一緒になった既婚男性と意気投合し、恋愛感情に似た気持ちが芽生えたそうです。
夫との仲が良好だからこそ、罪悪感は強かったと語ります。
出張先で一夜を共にしてしまい、その後もお互いに「家庭は壊さない」と約束し、関係を続けていたそうです。
夫にバレずに関係を続けていましたが、相手が部署異動になったことで自然消滅。
「恋愛感情を抱ける自分がまだいたことに驚いた」と語っています。
オープンマリッジを選んだ夫婦の例
オープンマリッジを選んだ夫婦の実例を紹介します。どのような過程でオープンマリッジを選択したのか、始めてから夫婦の関係はどうなったのか見ていきましょう。
例①自由恋愛を認めあった夫婦

夫(36歳・IT系)× 妻(34歳・デザイナー)子どもがおらず、結婚後も互いに独立した生活感覚を持ち続けていました。
夫婦仲は良く、セックスレスでもないが、刺激が減り物足りなさを感じていたそうです。
「無理に一人に縛られる必要ある?」という価値観が一致し、相手に隠さず報告し、感情的に依存しすぎないことを条件にオープンマリッジを始めました。
夫は元カノとの関係を再開し、妻はマッチングアプリで出会った人と関係を進めているそうです。
定期的に報告をして対話を深めることで、嫉妬心を乗り越えていると語っています。
例②セックスレスから許可制恋愛を始めた夫婦
夫(45歳・医師)× 妻(42歳・主婦)中学生の子どもが二人。出産後からセックスレスになり、互いに不満を抱えているものの夫婦仲はそれほど悪くありません。
そんな折、夫が「浮気」ではなく「許される形」を模索し始め、夫婦カウンセリングを経てオープンマリッジにたどり着いたそうです。
子どもを優先しながら、会うのは月1~2回を上限とし、関係を持つ前には相談・了承を得る形で始めました。
妻は一人の恋人と関係を続け、夫は複数の女性を交際を始めたものの感情的に疲れて一時停止。オープンマリッジを始めたことで、夫婦の絆が深まったと語ります。
まとめ:婚外恋愛を選択するのは生き方を選ぶのと同じ

結婚生活に不満や孤独を感じ、「このままでいいのだろうか」と悩んでいる方にとって、婚外恋愛やオープンマリッジという選択肢は決して難しいものではありません。
ただし本記事で紹介したように、婚外恋愛やオープンマリッジの定義を理解し、リスクがあることを忘れてはいけません。
今回の記事では、不倫との違いや実際の体験談を通じて、さまざまな視点から「夫婦のあり方」や「心のつながりの持ち方」をご紹介してきました。
重要なのは「あなた自身がどう生きたいか」です。罪悪感や世間体だけに縛られるのではなく、自分の気持ちに正直に向き合い、パートナーとの関係、自分の人生をどう選び取るのか考えるきっかけになれば幸いです。