「原因不明の頭痛や動悸がある」
「夫と一緒にいるとイライラしたり、疲れたりする」
「一人でいると体調がよくなる」
最近このような体調不良がありませんか?
これらの不調は、もしかしたら“夫源病(ふげんびょう)”かもしれません。
「歳のせいかな?」「更年期かも?」と思われやすいそれらの不調は、実は“夫”という存在そのものがストレス源になっている可能性があります。
この記事では、夫源病になっていないか症状とチェックリストを紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。
夫源病(ふげんびょう)とは?

夫源病(ふげんびょう)とは、夫の言動がストレスとなり頭痛や不眠など、妻が心身に不調をきたす状態のことです。医学的な正式名称ではないため、不調を感じて病院で診てもらっても原因がわからない場合が多いです。
また、夫源病は中高年女性に多く見られるため更年期障害と勘違いされやすい症状でもあります。
近年、臨床現場やメディアで注目されるようになり、更年期障害と思われていた体調不良の原因は、夫にあったのではないかと言われるようになりました。
夫源病は夫を持つ妻ならば、どの年代の女性でも発症する可能性があるものです。原因がわからないことが多く、長年の夫へのストレスや不満が積み重なり、耐えきれずに症状として出ているケースが多いです。
- 夫の定年後、家にいる時間が増えたことによるストレス増加
- 家事や介護、育児の負担が長年一方的に妻に集中してきた背景
- 我慢を美徳とされてきた世代特有の自己抑制
こうした要因が重なり、結婚から長年のストレスが「夫源病」というかたちで表面化します。
60代を例に出しましたが、夫源病と結婚年月の長さは必ずしも比例するものではありません。
【チェックリスト】あなたは夫源病?簡易セルフ診断10項目
実際にあなたの不調が夫源病かどうか、チェックリストを使ってセルフ診断してみましょう。
次の10項目のうち、当てはまるものはいくつありますか?
☑️夫と話すと疲れる、イライラすることが多い
☑️夫の存在がストレスのように感じる
☑️夫が家にいると気が休まらない
☑️原因不明の頭痛・めまい・動悸がある
☑️よく眠れない、夜中に何度も目が覚める
☑️一人の時間や外出中の方が体調が良い
☑️夫との関係を誰にも相談できず、抱え込んでいる
☑️自分の意見を夫に伝えられない・伝えても無視される
☑️夫が近くにいると緊張してしまう
☑️「夫と距離を置きたい」と思うことがある
3つ以上当てはまった方は、夫源病の可能性が高いです。
次の章で夫源病の心身のサインが出ていないか確認してみましょう。
【症状一覧】夫源病に見られる心と体のサイン

夫へのストレスは、心と体を通じて表面化します。
慢性的な体のだるさなどの身体的症状から、つらい精神的な症状まで、あらゆる形で夫源病の症状が現れます。
それぞれの症状を確認していきましょう。
身体的症状
夫源病が原因で起きる身体的症状は、夫からのストレス反応や自律神経の乱れから現れます。
代表的な症状は以下の7つです。
- 頭痛
- めまい
- 胃痛・腹痛
- 動悸・息苦しさ
- 肩こり・腰痛
- 不眠
- 慢性的な疲労感
長時間緊張状態が続くと、緊張型頭痛や片頭痛が起こります。体に力が入りやすいため、筋肉がこわばって肩や腰が鉛のように重くなります。
夫に何か言われた後や、近くにいる際に動機・息苦しさを感じる場合は、ストレスが極限状態に達しているかもしれません。
慢性的な疲労感は、自律神経の乱れが直結しています。休息をとっても疲れがとれない、疲れているのに眠れないのは夫からのストレスが影響している可能性があります。
精神的症状

夫源病は精神面にも不調をきたします。夫に対するストレスや圧迫感から症状が現れます。
代表的な症状は以下の6つです。
- イライラ・怒りっぽくなる
- 無気力・やる気が出ない
- 不安感・落ち着かない
- 抑うつ状態
- 涙もろくなる
- 孤独感
更年期障害やうつ病にも見られる症状です。
普段よりも夫の立てる音や言葉が気になる、いつもならば許せることにカッとなってしまう時は夫源病の症状が出ているかもしれません。
特徴的な傾向
夫源病の症状を紹介してきましたが、他の病気と区別をするのが難しいものばかりです。

ただ日々の疲れが溜まっているだけかもしれないわね

夫源病からくる疲れの可能性が高いよ!

見極め方が難しいわ

今から紹介する特徴に当てはまったら夫源病が影響しているよ
以下に当てはまる方は、夫源病が原因で症状が出ている可能性があります。
- 夫がいる時間帯に症状が悪化する
- 夫の声や足音がストレスに感じる
- 外出中や一人の時間は体調が安定する
- 夫の些細な言動にストレスを感じる
- 家にいることが辛く感じる
- 被害者意識を持っていると思われて相談できない
夫がいる時間や夫と会話をした後など、関わりのある時ほど症状が悪化するならば夫源病の可能性があります。
どのタイミングで辛さを感じるのか、不調の強弱と共に意識するとわかりやすいです。
【原因と背景】なぜ夫がストレス源になるのか?

「大きな問題や喧嘩をしたわけでもないのに、なぜ突然夫源病になったのだろう?」と疑問に思う人も多いと思います。
夫源病は突発的なものではなく、長期的な小さな負担が蓄積されることで発症しやすい病気です。
つまり、夫がストレスに感じられるのは日常の積み重なりが原因です。
具体的にどのようなことがストレス源になるのか、夫源病の原因を紹介します。
コミュニケーション不足
夫がほとんど家におらず、会話をする機会が少なくなると小さな不満が蓄積します。
コミュニケーションは夫婦関係を構築するのに欠かせないものです。お互いが何を考えているのか、何を感じているのかを共有できると安心感や信頼に繋がります。
それが不足してしまうと、夫婦間で本音を話す機会が少なくなり、気持ちが伝わらない状態が続いてしまいます。
「夫はこういう人だから仕方ない」という諦めも、心身にとっては大きなストレスとなるのです。
「私ばっかり」家事と育児の偏りが生む不公平感

結婚当時は協力的だったのに、気づけば家事も育児も自分ばかりがしている・・・という不公平感は大きなストレスになります。
特に「家事・育児は女がするもの、男は外で働いていればいい」という昔ながらの考え方の夫ならば、不満を言えずに怒りが蓄積していくでしょう。
長年「自分ばかりがやっている」と感じ続けることで、ストレスが心身に現れるようになります。
夫の無関心・理解不足が心を削る理由
夫が何においても無関心で理解を示してくれないことも、心を削る要因となります。
不調を訴えても「気のせい」「寝れば治る」と軽視されたり、家庭で何か問題が起きても「お前に任せる」と言われたりする状態が続くと疲労感が蓄積するでしょう。
共に悩んで歩んでくれるはずの夫が違う場所を見ていれば、心も離れていくものです。
精神的DVに近い状態かも?見逃しがちなモラハラのサイン

妻の行動を逐一チェックしたり、決め事はすべて夫主導になったりするのはモラハラの可能性があります。
怒鳴りつけるなどの強い言葉をかけられなくても、無意識にパワーバランスを支配されているならば精神的DVといえます。
長年夫の支配下にあることで、無意識にストレスが蓄積されていくでしょう。
【タイプ別】夫源病の原因になりやすい夫の特徴
夫がストレス源になる理由を紹介してきました。
ここでは、夫源病の原因になりやすい夫の特徴をタイプ別にご紹介します。
支配的タイプ

支配的タイプは自分のやり方に固執し、すべて妻をコントロールしようとするタイプです。
このタイプの夫は、自分の価値観が正しいと思い込んでいるため、考えに反する行動をすれば頭ごなしに怒る人もいます。
家事や育児においても自分が良しとするやり方を押し付け、妻の意見を聞こうとしません。
妻は一歩後ろに下がって夫の言うことに従ってほしい亭主関白タイプともいえるでしょう。
依存タイプ
依存タイプの夫は、自分一人では何をすればよいのかわからず、すべて妻に任せようとします。
家事や育児においても妻がいなければ何もできず、妻の負担を増大させる傾向にあります。
このタイプの夫は、定年後も妻に頼りがちになるため、どこへ行くにも着いていきたがる可能性があります。
無関心タイプ

無関心タイプの夫は、家のことや妻の気持ちに一切関心を持ちません。
仕事や趣味など自身の世界を第一に考えているため、一緒にいても孤独感を感じやすいです。
また、このタイプの夫は外面が良く良い夫を演じる傾向があるため、妻が悪者のように感じられてしまいます。
王様タイプ
王様タイプの夫は、自分が家庭の中心であるべきと信じて疑わず、妻を下に見ています。
妻が家事や育児をするのは当たり前と考えており、自分の求める基準に達していなければ文句をつけます。
妻のことを家政婦扱いしているため、何をしてもらっても「ありがとう」が言えず、非があっても認めようとはしないのが特徴です。
【対策】夫源病への対処法と改善のヒント

夫源病のチェックリストや症状に心当たりがある人は、これ以上悪化させないために対策しましょう。
これから紹介する対処法の中から、まずは自分が取り組みやすいものを取り入れてみてください。
自分の時間・空間を持つ
自分の空間を持ち、自分だけの時間を作ることでストレス解消につながります。
- 趣味を楽しむ時間
- 一人でゆったりとコーヒーを飲む時間
- 誰もいない部屋でぼんやりする時間
- 軽いストレッチやヨガ
自分のためだけの時間を持つことで心に余裕が生まれます。
何をすればいいのかわからない時は、体を動かすのがおすすめです。
自分の体と向き合える時間となり、身体的症状の緩和にも役立ちます。
ストレス発散の時間を作る
夫源病になる人は、我慢強く溜め込みやすい傾向があります。
定期的にストレス発散の時間を設けることで、夫源病の改善につながります。
- カラオケで大声で叫ぶ
- 走ってスッキリする、サンドバッグを殴る
- 泣ける作品を見て思い切り泣く
- 信頼できる人に愚痴を吐く
自分の感情を外に出すと、モヤモヤと溜まっている不満を解消できます。
思い切って距離を取る

夫の顔を見るだけで症状が重くなる、「もう耐えられない!」と感じるほど辛い状態ならば、思い切って距離を取るのも一つの選択です。
実家への一時帰省や、別居を視野に入れてもよいでしょう。
ストレス源である夫から離れれば、夫源病の症状を和らげられます。
物理的に夫と離れることで、客観的に夫婦関係を見つめ直す時間も作れます。
夫婦で話し合うときのポイント
夫源病は夫への不満を溜め込むことで起こります。
夫に自分がどう感じているのかを伝え、話し合いの機会を設けることも大切です。
その際は夫を一方的に責めるのではなく、「私はこう感じているんだけど、あなたはどう思う?」という伝え方を心がけるとよいでしょう。
- 自分の気持ちをメインに話す
- 一度に詰め込んで話さない
- 相手を責める言い方をしない
- 落ち着いて話せるタイミングを作る
一度で理解してもらおうとは思わず、まずは夫に自分の気持ちを伝えることを目標にしてみましょう。
カウンセリングを検討する

夫源病かもしれないと思ったら、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることも大切です。
カウンセリングを受けることで、自分の感情を言語化でき、気持ちを整理できます。
特に精神的症状が強く見られる場合は、カウンセリングで症状が軽減する可能性があります。
「限界になるまで我慢しよう」と思わず、「まだ大丈夫」と思える今のうちに受けるようにしましょう。
【まとめ】自分を責めないで。まずは「気づくこと」が第一歩
「こんなことで悩んでる自分が弱いのかも…」と思う必要はありません。
夫源病は誰にでも起こり得る“心と体のSOS”です。あなたがこれまで我慢強く頑張ってきた証拠です。
まずは自分の状態に気づき、心身と向き合う時間を作りましょう。
そして、必要に応じて信頼できる人や専門機関に相談することも、一歩前に進むための大切な選択肢です。
今回紹介した対処法を実践し、あなたの心と体が少しでも楽になれば幸いです。