「セックスレス=夫婦仲の悪化」というイメージが根強くありますが、実際にはそうとは限りません。セックスがなくても、心から信頼し合い、日々を共に過ごす“仲良し夫婦”は少なくありません。本記事では、セックスレスでも良好な関係を築いている夫婦の特徴や、そうした関係性の築き方、さらにはレスを解消したい場合のヒントまで、実例とともに解説していきます。
レスでも仲良しは可能?その前提を見直そう

セックスの有無が愛情の全てを決めるわけではありません。夫婦関係においては、心のつながりや信頼、日常の関わり合いが関係の満足度を大きく左右します。この章では、セックスに依存しない愛情表現の可能性について考えてみましょう。
セックスは夫婦関係の“必須条件”ではない
近年、夫婦間のセックスレスは特別なことではなくなっています。日本性科学会による調査では、既婚者のうち約47.2%が1ヶ月以上性交渉をしていない、いわゆる「セックスレス」であると報告されています。この数字からも、セックスレスという状態が一般的であることがわかります。
区分 | 割合(%) |
セックスレス(1ヶ月以上性交渉なし) | 47.2% |
パートナーに性交を拒否される | 21.3% |
自分から性交を避けている | 18.6% |
特に問題なく性生活を継続している | 31.9% |
「心の距離」が関係性の安定を支える
セックスよりも、精神的なつながりや信頼感の方が、夫婦関係を安定させることも多くあります。話を聞いてくれる、感情を共有できる、一緒にいて安心できるという感覚が、長期的な関係を支える大きな要素になります。
愛情表現の手段はひとつではない
手をつなぐ、ありがとうを伝える、相手の好みを覚えておく、応援する。こうした日常的な行動も、立派な愛情表現です。セックスに代わるさまざまな表現が、夫婦関係の満足度を高める鍵になります。
なぜ「仲良しだけどレス」になるのか?

セックスレスと聞くと、どちらかが一方的に拒否しているように思われがちですが、実際にはさまざまな理由が存在します。ここでは、特に多い3つのパターンを紹介します。
新婚期の心理的・身体的ギャップ
結婚当初はお互いに気を使いすぎたり、慣れない生活の中で余裕がなくなったりと、セックスに対する気持ちがすれ違うことがあります。”新婚=性生活が充実”という思い込みに苦しむ夫婦も少なくありません。
産後・育児期の身体的/感情的負担
妊娠・出産後はホルモンバランスの変化や睡眠不足、育児のストレスなどが重なり、性欲が大きく減退することがあります。この時期はスキンシップよりも育児や回復を優先したいと感じる人が多く、自然とレスの状態になります。
生活に慣れたカップルの“自然な変化”
長く一緒にいることで「しなくても別に不満がない」という状態になることもあります。これは、むしろ関係性が安定している証拠でもあり、危機ではなく“成熟”と捉えることもできます。
「レス=離婚」じゃない!仲良し夫婦の維持法

セックスがないからといって、すぐに離婚につながるわけではありません。ここでは、レスでも良好な関係を続けるための具体的なポイントを紹介します。
触れ合いを習慣化する
セックスがなくても、スキンシップを通じた愛情の確認は可能です。ハグやキス、肩を揉んであげるなど、日常的なふれあいが関係性を穏やかに保ちます。
共通の体験で関係をリフレッシュ
一緒に出かけたり、趣味を共有したり、共通の目標を持つことで、「パートナーとしての一体感」が高まり、セックス以外での満足感が得られます。
無理に“夫婦像”を押し付けない
「夫婦とはこうあるべき」という固定観念を押しつけず、自分たちらしいスタイルを模索することが、長続きの秘訣です。周囲と比較せず、納得感のある関係を築きましょう。

それでも「解消したい」と思ったときのアプローチ

仲良しでも、セックスがないことに寂しさを感じたり、身体的なつながりを求めたいと思うこともあります。ここでは、レスを前向きに解消するためのステップを紹介します。
まずは冷静に気持ちを言語化する
「どうしてほしいのか」「どう感じているのか」を言葉にして伝えることが、第一歩です。相手を責めるのではなく、自分の思いを丁寧に伝えることで、対話の扉が開きます。
関係を見直す時間を意識的につくる
忙しい日常の中では、つい関係の変化に気づきにくくなります。週末にゆっくり話す時間をつくる、記念日を大切にするなど、関係を再確認する場を意識的に設けましょう。
必要に応じて第三者の支援を検討する
どうしても解決が難しいと感じたら、夫婦カウンセリングやセックスセラピーのような専門機関に相談することも選択肢のひとつです。第三者の視点が、新しい理解につながることもあります。
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レスだけどうまくいっている夫婦の3つのパターン

ここでは、セックスレスでありながらも、良好な関係を築いている夫婦のケースを3つ紹介します。すべてフィクションですが、現代の多くの夫婦に共通する悩みや気づきが含まれています。
結婚10年目のAさん夫婦は、セックスレスになって5年。お互いに忙しい仕事を抱えながらも、家事・育児・金銭面でしっかり協力し合い、尊重し合う関係を続けています。性生活がなくても、強い信頼と役割分担によって絆を保っています。
40代共働きのBさん夫婦は、セックスはないけれど、毎週一緒に映画を観たり、ドライブを楽しんだりとデート感覚の時間を大切にしています。性的関係を求め合わなくても、恋愛感情のような“ワクワク”を共有することで関係が続いています。
結婚30年を迎えるCさん夫婦は、数年前から自然とセックスレスになりました。現在は毎朝の挨拶や食卓を共にする時間を大切にし、穏やかな空気の中で相手を気遣い合っています。多くを語らずとも、深い愛情が流れている関係です。
まとめ レスでも夫婦関係は育つ

セックスレス=終わり、という考え方にとらわれず、もっと自由に、もっと柔軟に夫婦関係を見つめ直してみませんか? この記事で紹介してきたように、性生活がなくても、心のつながりや日常の支え合いによって、深く満ち足りたパートナーシップを築くことは可能です。
- セックスレスでも「仲良し夫婦」は多数存在する現実
- 愛情表現の手段はセックスだけではなく、信頼や日常のふれあいでも十分に築ける
- セックスレスに悩んだ場合でも、対話や第三者の支援によって改善の余地がある
セックスがないからといって、それがすぐに“関係の終わり”を意味するわけではありません。重要なのは、お互いがどのように愛情を感じ、どのように支え合っていきたいかを共有できているかどうかです。セックスレスを嘆くのではなく、そこからどんな関係性を築けるのかに目を向けることが、長く仲良くいられるカギになります。
