結婚生活が長くなると、夫婦の関係性や気持ちに変化が訪れるものです。中には「旦那としたくない」「触れられるのも嫌」と感じる気持ちに、戸惑う人も少なくありません。
このような気持ちは恥ずかしいことでも、異常なことでもなく、多くの女性が抱えるリアルな悩みの一つです。大切なのは、その感情を無視したり押し殺したりするのではなく、原因を知り、解決法を見つけていくことです。
この記事では、妻が「旦那としたくない」と思う心理や背景、そして気持ちと向き合いながら夫婦関係をより良くしていくためのヒントをお伝えします。
旦那としたくない人は珍しくない?妻の本音

昔は旦那から求められると嬉しかったはずなのに、気づけば求められることに嫌悪感を感じてしまう。そのような女性は少なくありません。
それは、あなたの心が冷たくなったからではなく、必ず「したくない」理由があります。ここでは、旦那としたくない時に感じている妻の本音に迫っています。
産後・育児による体調や心の変化
産後や育児期は体や心に大きな変化が起きるため、セックスを避けたくなる女性が多いです。骨盤の歪みやホルモンの影響により、性行為自体が不快に感じられるからです。そのため、触れられること自体が負担に感じることがあります。
また、出産後は女性ホルモンの変化により「母性本能」が強くなり、性欲が低下しやすいと言われています。女であることよりも母であろうとする心理が働くためです。
旦那への不満や積み重なったストレス
家事や育児の分担、生活態度への不満が積み重なると、旦那への気持ちは冷めてしまいます。不公平に感じることが増えれば増えるほど心は疲れてしまい、触れられること自体がストレスに感じられるでしょう。
「当たり前」のように家事や育児を押し付けられたり、労りの言葉がなかったりすると、夜の関係も拒否したくなるものです。心が繋がっていないのに体だけ求められると、「都合よく扱われている」ように感じられるでしょう。
小さな不満でも積み重なれば、大きなストレスとなります。不満やストレスが積もると「触れられたくない」という拒否感に繋がるのです。
女性として見られていない寂しさ
「母親」として扱われるばかりで「女性」として大切にされていないと感じると、夫へのときめきが薄れ、触れられることに抵抗感を抱きやすくなります。
- 髪型を変えても、服を新調しても反応がない
- 家事や育児をしている姿しか見られず、魅力的な女性として見てもらえない

私はもう女としては終わっているのかな、と思ってしまいます。
このような状態が続くと、スキンシップが「義務的」なものに感じられます。「私だからいいのではなく、ただ妻だから」求められていると感じるようになるでしょう。
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単なる性欲の差・性癖の違い
夫婦の性欲レベルや価値観が異なると、片方が「したい」と思っても、もう片方は「したくない」と感じる状況が生まれやすいです。
- 毎日したい派と月に数回で良い派
- スキンシップや愛情表現を重視する派、行為だけを求める派
- 片方のこだわりや性癖が強すぎる
夫婦で頻度やタイミングが合わないと、性欲の波が合わず、義務的に応じるのが辛くなります。性に対する好みが異なると、「無理に合わせているけど、本当は嫌」という気持ちが積もり、距離を置きたくなるものです。

旦那に合わせすぎて、疲れてしまいました。
「断ると不機嫌になってしまう」という気持ちがあると、最初から行為自体を避けたくなるでしょう。
「旦那としたくない」と感じるときの心理背景

「旦那としたくない」気持ちが芽生えると、モヤモヤとした感情が心に渦巻くでしょう。ここでは、旦那との行為に嫌悪感を感じる時の心理背景を解説します。
愛情が冷めたわけではない
「旦那としたくない」と感じると、「愛情が冷めたのでは?」と不安になってしまいますよね。
しかし、「したくない=嫌い」というわけではありません。愛情はあっても、疲れや気分によって性欲がわかないことは誰にでもあります。
- 家事・育児・仕事で疲れ、休みたい気持ちが強い
- 母としての意識が強く、女としての意識が薄れている
- 性欲や性癖を合わせることに疲れている
- 産後の体型変化や加齢が原因で、体を見られたくない
愛情と性欲は別物です。愛していても体が疲れていると「今日はしたくない」と思うのは自然なこと。子どもや家庭優先で性欲が後回しになるだけで、旦那への愛情自体がなくなったわけではありません。
拒否することで罪悪感を抱く妻の心理
旦那を拒むと「冷たい妻だと思われるのでは」と罪悪感に悩む女性は多いです。結婚している以上、旦那の欲求に応えるのは当然という価値観を持っているからです。
また、自分が拒否してしまったことで「旦那を傷つけてしまったかもしれない」と不安を感じる人もいるでしょう。

ショックから、浮気に走ってしまわないか心配です。
拒否することで罪悪感を抱くのは、「断ってしまった」ことよりも、その後の旦那の気持ちを想像しているからです。旦那のことを考えられている証拠ですね。
旦那が理解してくれない寂しさ
旦那から誘われた際に、「疲れている」「気分が乗らない」という理由を伝えても、冗談にされたり、流されたりすると、「どうしてわかってくれないの?」という思いが孤独や寂しさに繋がります。
旦那にとっては「したい気持ち」が一番で、体調や心の状態を考えてくれない状況が繰り返されると、愛情よりも寂しさが勝ってしまいます。

何を言っても、どうせわかってもらえない
理解してもらえないと、言葉にするのも辛いものです。自分の本音を話せない、話しても受け止めてもらえない状況は、心の距離を広げてしまいます。結果として「体も心も閉ざしてしまう」悪循環に陥ってしまうのです。
妻が本当に欲しているのは「行為を拒否する自由」ではなく、その気持ちを理解し、寄り添ってくれる安心感です。
旦那としたくないときに試したい解決法

ここからは、「旦那としたくない」と感じている時に試したい解決法を紹介します。まずは、ご自身ができそうなことから試してみてください。
無理に応じず、自分の気持ちを整理する
「旦那としたくない」と感じている時、無理に応じてしまうと心や体に負担がかかり、夫婦関係も悪化してしまいます。無理せず自分の気持ちを整理する時間を持ちましょう。
まずは自分の本音を認め、なぜそう感じるのかを書き出してみてください。
- 「なぜしたくないのか」を言葉にしてみる
- 書き出した自分の気持ちを否定せず受け入れる
- 親しい友人に話を聞いてもらう
- カウンセリングを利用するのも一つ
まずは、「疲れているから?」「夫への不満があるから?」と自分に問いかけ、出てきた言葉を書き出すところから始めてください。一人では気持ちがわからない、整理するのが難しい時は第三者に頼るのがおすすめです。
周囲の人に話すのが恥ずかしい、難しい場合はプロの力を借りるのも一つの選択肢です。まずは自分の心と向き合い、労わることに注力しましょう。
夫婦で会話の時間を増やす
日常的なコミュニケーションが、夫婦の安心感や信頼関係を育みます。まずは、食事中や洗い物をしながら、子どもの話や今日の出来事を気軽に共有してみましょう。わざわざ会話をするためだけの時間を作らなくても、「ちょっとした会話の積み重ね」が心の距離を縮めます。
ながらで話すのが難しい場合は、1日5分だけでも夫婦時間を確保するのがおすすめです。この時間だけは他のことをせず、相手の目を見て話すようにしましょう。
- 感情だけではなく、今日あった出来事を話す
- 「今日どうだった?」と相手の話に耳を傾ける
- 相手の話は途中で遮らず、最後まで聞く
- 「ありがとう」「助かったよ」と小さな感謝を伝えてみる
スキンシップやセックスが難しい時も、言葉で愛情を交換することで、関係は深められます。そうすることで、自然と「また一緒にいたい」と思える土台ができます。
性生活以外のスキンシップを大切にする
手を繋ぐ、肩に触れるなどの小さなスキンシップは、心の距離を縮める大切な習慣です。外出時や家の中で軽く手を繋ぐだけでも、心がほっとする安心感が得られます。
スキンシップをするのが気恥ずかしい人は、マッサージから始めてみるのも良いでしょう。「疲れてない?」「今日もお疲れ様」と相手を気遣いながら身体に触れることで、緊張感を無くし信頼感を共有できます。
- 愛されている実感が得られる
- 性的なプレッシャーを感じず、安心できる
- 心理的な距離が近づく
- 性行為への抵抗を減らせる
自分も心地よいと思える触れ合いを選ぶことで、無理なく夫婦の繋がりを保てます。
既婚者マッチングアプリで相談する
既婚者マッチングアプリで相談することは、同じ立場の人からの理解を得られ、気持ちを整理する手段として有効です。既婚者特有の悩みだからこそ、同じ悩みを持つ人と話すことで見えてくるものがあります。
同じ立場の人からの具体例を聞けるのも、既婚者マッチングアプリならでは!

自分も同じ悩みを抱えています。

過去に乗り越えた経験があります。
匿名性が高いため、名前や個人情報を明かさずに相談できるのも嬉しいポイント。家庭内で話せない悩みも安心して吐き出せます。気持ちを整理するための手段としても有効的です。
旦那としたくない気持ちが強いときの対処法

「旦那としたくない」気持ちが強くなっている時は、自分を守るための時間を作ることが大切です。
ここでは、3つの対処法を紹介します。
寝室を分ける・距離を置く工夫をする
一時的に寝室を分けることで、無理に応じなくてもよい安心感が得られます。お互いの自由時間を確保することで、精神的な余裕が生まれ、心身の負担を減らせます。拒否することの罪悪感もなくなるため、夫婦関係を悪化させる心配がありません。

一時的に距離を置くことで、相手への感謝や愛情を改めて実感できるかもしれません!
ただし、距離を置くからといって完全に無視するのではなく、日常会話やハグなどのスキンシップは残しておきましょう。朝の挨拶や会話をする時間を作ると、距離が離れすぎる心配がありません。
単に距離を置くことで喧嘩や不満を増やすのではなく、心の安全地帯を作るために行ってください。
一人の時間で心を休める
「旦那としたくない」と感じるときは、心身が疲れていたりストレスが溜まっていたりすることが多いです。趣味や自分だけのリラックスタイムを持つと、心に余裕が生まれ、旦那への拒否感が和らぐことがあります。
睡眠不足等で疲労が溜まっている場合は、昼寝や早めの就寝を意識しましょう。寝る前にゆっくりお風呂に浸かったり、アロマを焚いたりストレッチをしたりすると、リラックスした状態で眠れます。
心を休めるためには、好きなことに没頭したり気分転換したりする時間が必要です。
- 読書、映画、音楽など芸術に触れる
- 心地よく楽しめる趣味に没頭する
- 散歩やショッピングなど、外で気分転換する
- デジタルデトックスする
- 自分の感情をノートに書き出す
心を休めるためには、「誰かのため」ではなく、「自分のため」に時間を使うことが大切です。この時間を持つことで、罪悪感やストレスを減らし、再び夫婦関係やスキンシップに向き合う余裕が生まれます。
夫に「嫌だから拒否するのではなく体調や気持ちの問題」と伝える
『愛情の欠如』ではなく体調や気持ちの問題であることを伝えるのは、とても大切なことです。ここでポイントになるのは、相手を責めず、「私はこう感じている」と伝えることです。
- NG:「あなたが疲れさせるから嫌なの!」
- NG:「いつも私のこと考えてないから嫌なの!」
- NG:「気分じゃないの!」
相手のせいにしてしまうと、夫婦関係の溝は深まってしまいます。伝える時は、自分の今の状態や感覚を伝えることが大切です。
- OK:「最近体が疲れていて、心も落ち着かないから今日は無理なんだ」
- OK「寝不足で体が重くて」
- OK「気分が落ち込んでいて、気持ちを切り替えられない」
具体的に伝えることで、旦那にも納得してもらいやすいでしょう。スキンシップに抵抗がなければ、「今日は無理だけど、代わりにこうして触れ合おう」と提案すると安心感が増します。あくまでも自分の気持ちに合わせて提案するようにしましょう。
セックスレスを解消するための夫婦の向き合い方

「旦那としたくない」気持ちがなくならない場合、あなた一人だけで頑張り続けるには限界があります。セックスレスを解消するためには、夫婦で向き合う必要があります。
お互いの価値観の違いを認める
夫婦でも性欲や考え方は違って当然。どちらが正しい正しくないと決めずに、違いを受け入れることが大切です。無理に相手を変えようとすると、反発を生んでしまいます。相手の希望やペースを尊重しつつ、自分の気持ちを伝えましょう。
価値観が違うことを前提に話し合えば、お互いにとって心地よい距離感を見つけやすくなります。性行為の頻度を調整したり、ハグや手を繋ぐなどのスキンシップを取り入れたりできるでしょう。

お互いの価値観を尊重した上で妥協点を見つけましょう!
違いを悪とせず、尊重し合う姿勢を持つことで、ストレスや罪悪感を減らし、自然と心の距離を縮められます。
性生活以外の関係性を豊かにする
旅行や共通の趣味など、性生活以外で夫婦の楽しみを広げることで、心の繋がりを取り戻せます。まずは、会話の時間を意識的に作りましょう。子どもの話や家事の報告だけでなく、趣味や最近気になっていることなどを共有してみてください。お互いの興味・関心を知ることで、心理的距離が縮められます。
共通の趣味や活動を持つのもおすすめです。一緒に何かをすることで、一体感を感じやすくなります。
- 映画を見る
- 料理をする
- ガーデニングをする
- 散歩に出かける
- 行ったことのない場所に行ってみる
共に過ごす時間を増やすことで、自然とスキンシップも取り入れやすくなります。外に出る時は手を繋いだり、「おはよう」「おやすみ」のハグを取り入れると自然です。
好きな飲み物を用意したり、ちょっとしたメッセージを残したり、日常的にプチサプライズを取り入れると愛情や信頼が強まります。
夫婦関係を修復したいときのステップ
夫婦関係が悪化してしまっているならば、修復するためのステップを踏みましょう。「どうして話してくれないの?」「どうしてこうなったのだろう」と自分を責める必要はありません。
- 自分の気持ちを整理する
- 旦那に気持ちを率直に伝える
- 一緒に解決法を探す
夫婦関係が悪化している状態では、旦那に話しかけるのも難しいかもしれません。だからこそ、まずは自分の気持ちを言語化して、話す準備を整えることが大切です。真摯に向き合えば、旦那もそれに応えてくれるはずです。
少しずつ信頼関係を積み重ねましょう。不安な方は以下の記事も参考にしてください。
「このままでいいの?」夫婦関係修復に必要なのは“話す勇気”かもしれません
夫婦関係修復は焦らないことが大切|手遅れにしないための改善ステップと解決法
まとめ|「旦那としたくない気持ち」を放置せず、夫婦の幸せを見つめ直そう

「旦那としたくない」と感じることは、決して珍しいことではありません。大切なのはその気持ちを否定せず、夫婦で向き合うことです。少しずつでも、会話やスキンシップを増やすことで関係は変わっていきます。
ただし、自分の心に嘘をつくのは辞めましょう。「旦那のために!」と思いすぎると、自分自身が壊れてしまうかもしれません。無理をせず、自分の心と体を大切にしながら、夫婦の新しい形を一緒に築いていきましょう。
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